沖縄のイソヒヨドリ

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この[doglog]の検索機能には重宝している。「磯鵯」をSEARCHボックスに入れると2010年7月3日が返ってきた。すっかり記憶からは消えていたのだが沖縄へのゼミ旅行で写真に捉えていてしかも「磯鵯かな?」とコメントしている。当たりだったのだ。このデジタル備忘録を巧く使うと曇りがちな視界も開けてくる。

長崎のイソヒヨドリ

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長崎港に面した気持ちのいい公園で2015年に偶然カメラにおさまった色鮮やかなこの鳥の名はずっとわからなかった。[lunette]のランチ時によく出会う若者との何気ない会話から名がわかって記憶がよりくっきりした。彼がフランス語を勉強していることは知っていたのだが仕事が鳥に関係していることはその時に知った。黙ってスマホを覗いているより話をした方が狭くなりがちな視界も開けてくる。

PS.
ランチに[lunette]に出かけたらなんとその彼と隣り合わせになった。久しぶりの再会。このブログも見てもらってひとしきり鳥談義。楽しかった。まさに縁は異なもの。

長崎のカワセミ

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[二軒家アパートメンツ]仲間と長崎に行った時に朝早く梅寿軒のカステラを買いに行った。絶品なのだが家内少量生産で入手は至難。一人が行列に並んでくれているあいだ界隈を散歩している時に眼鏡橋脇の中島川で翡翠に出会った。川沿いとは言え街の中心部にこのような鳥がいるのだから長崎はいい街だ。お祭りも多いしみんな暮らしを楽しんでいるのだろうな。

洗足池のカワセミ

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何種類もの鳥と出会ってきたがそのなかで一番フォトジェニックなのは翡翠だろう。どこにでもいるというわけではない上に小さくて俊敏だからそうしょっちゅうは出会えない。洗足池では2度で会っているけれど最初の時は鳥おじさんに教えてもらってやっと気づいた。魚を捕食した瞬間を捉えるには三脚一眼レフがいるのだろうな。
 

洗足池のインコ

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近くに現場があったおかげですっかり馴染になった洗足池だが所在地町名は南千束と「せんぞく」の漢字が異なっているのが不思議だ。調べてみると遅くとも平安時代からあった「千束」という地名から「洗足池」と名付けられその近くに開発された「洗足田園都市」に因んで「洗足駅」が生まれたことから池から離れた北方に「洗足」という町名ができたということらしい。桃の花の色とインコの緑は不思議に馴染んでいる。

インドのインコ

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東京でも時々群れを見かける野生化した飼いインコには輪掛本青鸚哥という長い名が付いていてインドあたりが原産。このあたりの植生に鮮やかな緑色の群れは合わない。これはインド中部のアーメダバードの階段井戸で撮った写真で500年以上の時を経た背景にぴったり馴染んでいる。

インドのカエル

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「帰る」の語呂合わせからか母が「カエルもの」好きだったので、私が旅先で求めたカエルが[bigdog house]のあちこちにいる。早速大久保のカエルを出迎えてくれたのはインドのカエル。2007年の来日だ。大久保のカエルの方は出自がまだわかっていない。

大久保のカエル

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日大生産工学部居住空間デザインコースの講師仲間の何人かとはfbともだちになっているので情報交換が迅速だ。このカエルは小川真樹さんのfbで目にとまって私が反応したのがきっかけになって[bigdog house]にやって来ることになった。小川さんが奥様からプレゼントされたものとのことでたいへん恐縮だ、がうれしい。

大久保のウシ

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もう15年も通っている日大生産工学部は習志野市大久保にある。大学の近くにある肉屋で原発禍の直後に撮った写真。もう7年が経つのかぁ。人々の記憶からは見事に消されてしまった。この肉屋には街に開かれた立ち飲み屋も付属していてバイトをしていた学生はもう卒業した。

西荻窪のウシ

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この捨てられてしまったかのようにも見えるウシは西荻窪のある店の看板。近くの「鞍馬」は十割蕎麦なので時々行く。タンメンが感動的な「はつね」もすぐ近くだがいくら気に入ってもそうは食べられないのが悲しいところ。

西荻窪のイヌ

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住宅でも集合住宅でもクライアントが犬を飼っているケースが多いのはやはり犬の縁なのだろう。2015年に竣工した[西荻の家]にはバニちゃんというバーニーズがいる。この時は仔犬だったのだが大きくなっているのかなあ。

十二社のイヌ

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事務所界隈に古くからある「しながわ三兄弟店」の一つ「味陶庵志奈川」は今はランチだけの店。空間も家具も小物も食器もそれなりの時間を積み重ねてきている。テーブル席がふさがっている時に座る小さなカウンターの目の前に置かれている犬も味がある。

十二社のクマ

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このクマたちはその昔「十二社」と呼ばれていた事務所界隈の青木精肉店のショーケースの中にいる。事務所でスライド会などをやって飲む時にはここでコロッケ、メンチ、カツを揚げてもらう。地域密着の肉屋なので値段は手頃だし何と言っても揚げたては美味しい。隣は広域対応の繁盛店cochin nivas。行列ができてしまうことも多い南インド料理。今はインドに里帰りで3月9日まで1か月の冬休み中。

荒木町のクマ

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思うところあって2012年6月から1年間ラーメン断ちを敢行した後、ラーメン月一条例を施行してからもうすぐ5年になる。食べたいときになんとなく食べていたラーメンが月ごとに考え抜いて選ぶ食事になったことでラーメンの存在が大きくなった。普段行きつけないところに出向く時にはその界隈に目ぼしいラーメンがないか探ってみたりもする。それで「今月のラーメン」は荒木町の京紫灯花繚乱の岩のり煮干ラーメン。大量の背脂はあまり好みではないけれども十分にこだわりが感じられる味だった。客席の狭さは圧倒的だ。写真は近くの土曜定休の店で留守番をしていたかわいいクマ。

荒木町

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maps courtesy of Google

高校同期に誘われて久しぶりに荒木町で飲んだ。その昔この界隈でよく飲んだのは1986年のハートランドの設計で出会った田村光男さんがこの近くにいたからだ。この人間臭い男は独特の個性に溢れた人たちを惹き寄せる力があった。田中泯、越智兄弟、大貫妙子、立川談志、Iva Bittováと出会ったのは彼との縁によるものだ。一緒に仕事をしよく酒にもつきあったのだが私はいつもある種の畏れを彼に抱いていて、高校の先輩でもあるのに後輩として接したことは一度もなかった。田村さんの中の私にないものへの憧れもあったのだろう。その田村さんが2014年に急逝されて私にとって荒木町は遠くなっていたのだが久しぶりの2日後に今度は仕事がらみで近くに行く機会ができた。何かの縁かなとの思いもあったのか懐かしさも手伝って路地裏横丁の奥の窪地に足を踏み入れた。東京は実は起伏がそこそこにあって急坂も少なくないのだが周りがすべて高いこのような窪地は珍しい。一番低い底には「策の池」という不思議な名前の小さな池があって周りの高い処には高いビルも多いものだから薄暗くて寂しい。降りて行く路は階段状で折れ曲がっている。荒木町は知っていてもこの窪地の存在に気付いている人は少ないだろう。「策」を「むち」と読めるひともそうはいまい。地理院地図で標高を調べると一番低いところが21.5mで回りは30mくらいはある。今の池は幅10mもない小さなものだが明治迅速というネット上の古地図を見るとこのあたりに長さ150m近い池がある。同じ地図にある十二社池よりも大きい。十二社と同様に池の周りに桜の木がありかつては後楽地としてにぎわい界隈に花街が形成されその名残がいまの荒木町ということらしい。なにやら陰りも秘めた時が積み重なった深くて暗い窪地をかかえる街。だから人を惹きつけておいしいものが残っているのだろうか。あらためて田村さんらしい町だなあと思いふけった。路地には古くからある渋い店も多いのだが穴子の「ます味」はもうなくなっていた。あまりにも思い出深い「べえ」に寄るのはまたの機会にしようと街を後にした。
 

not dark yet

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冬の夕暮れは好きだ。一日には終わりがあり季節には冬があって生き物にも終わりがある。また朝が来て春が訪れるように命もまた繰り返すようにも思える。一日一日のひとつひとつを大切にしたい。ディラン流に言えば
It’s not dark yet, but it’s getting there
次は春に来よう。

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淡水池の水辺には葦が繁茂していて枯れ色が美しい。カワウとカモ類が仲良く屯していて絵にもなる。観察窓付きの木製の壁が随所に用意されている。シャッターチャンスが延々と続いて持ち時間があっという間になくなってしまい汽水池までは足を伸ばせなかった。

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臨海水族園の隣に鳥類園が在るのは知らなかった。淡水池と汽水池を囲むかなり広い鳥の天国だ。一部を駆け抜けただけだが身近にはいない鳥に出会った。淡水池の枯葦の陰で陸に上がって群れをつくっていた黒い鳥はよく見ると鼻のあたりだけ白いからオオバンのようだ。水に浮いている時とは見え方が違う。

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臨海公園は樹々も生い茂っていてそこら中に鳥がいる。人懐こくまわりをぴょこぴょこ歩きながらセキレイが付いてくる。樹々の中からヒヨドリが降りて来て地面をつつく。普段はそれほど多くは出会えないツグミも降りてきた。ここでは鳥たちものびのびしている。いいところだ。

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潮が引いた渚を歩く白い鷺を眼で追っているうちにずっと小さな目立たない色の鳥が群れをなしてちょこちょこと歩きつつ何やら啄んでいるのに気づいた。調べてみるとイソシギのようだが同じチドリ目のシロチドリとも似ている。いずれにせよ初対面だ。「いそしぎ」と言えば映画主題歌のThe Shadow of Your Smileが思い浮かぶ。1965年作品でシナトラも唄っているがディランがこの曲を録音する52曲に選ばなかったのは分かるような気がする。ところでディランの新作はいつか出るのだろうか。

生き物

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南に続く海の先にヨットが何艘も見えるけれども手前に無数のスズガモが浮かんでいるのはガイドの学生さんたちに教えてもらった。スズガモは潜るのが得意なハジロ属diving duckで特に二枚貝を好み丸呑みにして砂嚢で砕いて消化するのだそう。かなりぼけているけれど捕食した瞬間を捉えた。生きているさまはかわいい。これくらい写っていればいい(笑)。

動く物

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生き物はみな動くものに敏感なのだろう。葛西臨海海浜公園は刺激的だった。海に浮かぶヨットも望遠で捉えようとすると意外に動きが速い。その背景に見える羽田空港のタクシング中の飛行機もゆっくりと動いている。この日は着陸する飛行機が眼前を横切る風向きだったようで制限枠いっぱいの1.5分毎に目を楽しませてくれた。渚では凧も揚げられていてニアミス写真も狙ってみた。鳥は無数にいるし、紐付きだが犬もいる。目を凝らせばカニもいる。のんびりしている暇はない。楽しい。

葛西臨海海浜公園

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東京にしては寒い日が続くなかでの立春。たまたま休みの日に寒さが和らいだので葛西海浜公園へ。手前にある葛西臨海公園内の水族園(谷口吉生1989)には何回か来たことがあったのだが周囲がこんなに豊かであることには迂闊にも気づいていなかった。隣り合わせた都立公園なのに名前が違うのは管轄が港湾局と建設局に別かれているからだそう。ホームページも別かれているが実は一体だ。JR駅からまっすぐ続く軸線を受け止める透明な展望レストハウス(谷口吉生1995)を抜けると眼前に渚と海がひろがっている。きらきらと陽を弾いて輝く美しい海の彼方にゲートブリッジが見える。渚には鳥がいるだろうと思って来たのだが、鳥類園というのもあって期待以上の鳥世界が展開されていた。これほどになるとコンデジでは撮り切れないので、三脚一眼レフ族の仲間入りが頭を過ったりもしたが、鳥を巡る気持ちを分かち合う今の方が幸せだと思いなおした。懐の深い空間の中で時間は足りなかった。谷口吉生の建築の力も大きい。

安息

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もう4回目なのにシェフとの距離がなかなか縮まらないけれどけっこうお気に入りのビストロでほろ酔いになって歩く横浜の夜。海岸教会越しのキング。ライトアップが効いている。

気心

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山下公園の噴水は夜になると被写体として魅力的だ。寒いし暗いし一人で行くのならまだしもと頭の片隅で思っている時の「行く?」はうれしい。

地縁

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何故か横浜によく行く。大さん橋から山下公園あたりが多いのだが、鳥がいろいろといるせいなのかもしれない。氷川丸に繋がっている何本かの錨鎖のうち特定の1本にだけカモメが鈴なりになっていていつもカメラを向けてしまう。客船が停泊する大さん橋を背景にした鴎鎖は港の絵になっている。

領袖

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ヒヨドリを狙っていたら不意にネコが現れた。動くものには直ぐ反応するのだ。肝っ玉が据わった面構えをしている割には栄養もいいようだ。狙いは私と同じかもしれない。合州国の漫画にシルベスターという名の猫がいたが、イエネコの学名Felis silvestris catusから採ったのだろうな。

スズメ

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寒い候に寒いのはいい。大寒は1月20日。22日には雪が積もった。10年毎に更新される気象統計での東京の最寒日は25日。これはその25日の新宿中央公園のスズメのつがい。ふくらんでいる。大寒雀。

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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