triplicate

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3月31日に発売されるBob Dylanの3枚組CDのタイトルと曲目が発表された。録音のアル・シュミットが6月17日のインタビューで語っていたとおり30曲がおさめられていて予想どおり昔の唄のカヴァーだ。Stormy Weatherだけは2014年の録音リストにも入っているが2016年に録り直したのかもしれない。30曲のうち3曲は去年のライブで1曲はTony Bennettトリビュートで唄われている。ミュージカル「南太平洋」のなかの私のお気に入りThis Nearly Was Mineが入っているのはうれしい。引き続きしばらくはロマンチックな気分でいろということだな。ほんとうに心地よく歌ってくれているはずだからそれも悪くない。こちらの期待するようには行かないということはもうよくわかっている。曲の長さからするとどうみてもCD2枚分だがおそらくLP3枚組がアナログ一発録音に拘るボブにとってのあるべき姿なのだろう。タイトルはTriplicate。3枚目(3匹目のどじょう)、3枚組。ウイットとしてできがいいとは言えない。2月1日になってシナトラが1980年にTrilogyという3枚組を出していたことがわかった。これだな。Braggin'以外の29曲がシナトラであることもわかった。すでにプレイリストになっている。写真はほぼ同じレベルのこじつけでdos gatosのスペインチーズ3種。

find my Tokyo

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土曜は現場打ち合わせが終わった後の昼過ぎから行きそびれていたギャラリーをハシゴした。乃木坂のギャラ間で堀部安嗣展。東陽町のギャラリーA4で中村好文×家具職人コラボレーション展。こういう時に役に立つのがメトロ24時間券。\600で24時間有効なのがうれしい。日曜の昼まで使えるので事務所に出かけるのに渋谷で乗り換えずに副都心線に入り新宿三丁目で寄り道して中野坂上から坂を下った。ただし定期券との併用には改札機が対応しないのが不便。買いだめしてしまった残り2枚の有効期限があるのに写真を撮って気づいてよかった。危うく猫知恵になるところだった。都営地下鉄の\700の一日券はその日限り。ただし限られた土日には\500のワンデーパスがある。メトロに吸収合併されれば便利になるのになあ。

冬の瞬き

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冬の京の旅。馴染がよかったせいかお気に入りがいくつも撮れた。冬の早い日暮れが忍び寄りつつある大徳寺はとくによかった。人も少なかったしね。これは桐院での瞬き。

「俺じゃない」

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facebookのともだちつながりは面白い。ともだちの中には欧米のディランファン(英語ではbobcatともいいます)もいてさまざまなボブ情報もアップされる。かなりのフリークでかつ鳥好きのイギリス人がstreet-legal & illegalというグループに誘ってくれたおかげでいくつかボブ情報が飛び込んできた中に驚くようなyoutubeリンクがあった。1964年に発表されたIt Ain’t Me, Babeの2003年シカゴでのライブ音源。ボブが原曲を解体再構築することをよく承知している私が驚く抽象アレンジでほとんどメロディがない。そこにシターンという古楽器による津軽三味線を撥で鳴らしたような伴奏がついているものだからお経のようにも聞こえなくはない不思議な演奏ではまってしまった。youtubeもよくできたもので1曲終わると次におすすめが何曲も並んでいて、その中には同じタイトルの曲もいくつかあるから、さまざまなアレンジ違いをハシゴすることができる。ほぼ同じ歌い方でシターンの入っていない演奏もある。変わり続ける表現者の50年を超す生き様をヴァリエーションの豊富さが語っている。一貫してほとんど変わらない詩の方は、求め縋る恋人への別れともとれるし過剰な思い入れを寄せる信望者への警句ともとれる内容で、スタンザを「俺じゃない俺じゃない」と締める。50年経っても変わらず通用する詩になっている。求められることをやっているだけで自らが変容していかなくては先がないというのはボブ自身の生き方でもある。写真はbobcatならぬ新宿中央公園のボス猫。youtubeへのリンクも貼ってみるのでもし使えたら試聴してみてください。

過誤違

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冬の京の旅。嵐山ついでにい京都からもう1枚。高台寺の傘亭・時雨亭の先の高みからの市街遠望。過ちが繰り返されている。

酉凧鳥

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冬の京の旅。酉年のせいか鳥が続いたついでに嵐山の鳥、ではなく凧。鳥よりも鳥らしいかも。

鳩獣鳩

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鳥の放牧のように見えなくもない芝生の鳩。公園の鳥たちには場所の時間割があって種類別に群れをなして行動している。

鶏雛鶏

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日本電気硝子からのお年賀は直方体の透明硝子に鶏親子が刻み込まれたペーパーウェイト。側面から重なりを眺めるのも面白い。

鳥鳥葉

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枯枝には落ち損ねた枯葉もまだわずかに残っていて遠くから見ると鳥のように見えてしまうことも少なくないけれどこれらの影は三つとも鳥だった。慎重にズームしてみたらスズメとは違うスズメ大の鳥。モズとは違うかな。よく晴れた新宿中央公園の寒い朝。仕事場に通うのもまた楽し。

界隈

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[bigdog house]の通りに泉幸甫さんの住宅ができた。 [doghouse]の通りにも泉さんの住宅があったからこれで2組目の奇遇ということになる。50mくらいの距離でキッチンの窓から目視できる近さだ。もっと近くには椎名政夫さん宮脇檀さんもあるから建築家率の高い界隈ということになる。ハウスメーカーの家も少なくはないが道幅5.4mの碁盤の目なのと多くの家に樹木が多いので街の雰囲気は悪くない。鳥もたくさんいる。のどかだ。件の住宅の現場監理は居住空間コースの教え子だが現場ではまだ会っていない。

伊藤若冲

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冬の京の旅。大徳寺聚光院特別公開と並ぶもう一つの目玉は若冲。なかでも京都国立博物館の生誕300年特別陳列は見事でした。解説がわかりやすく丁寧で若冲の奥深さ愉快さが今までになくわかったように思います。やはり若冲も最後まで挑戦し続けている。59匹の犬が描かれた「百犬図」は問われるままに数えてみましたが4匹数え損ね。ユーモラスな「果蔬涅槃図」では若冲がどれかわかったような気がしました。作品の写真は撮れないので端正な窓割りを通しての京都遠望。

和久傳

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冬の京の旅。大きな声では言えないがCasaの特集が役に立った。麩屋町のおでんや和久傳の朝めしは旧い京の伝統の中でしたたかに生まれる革新。Casaならではの最新情報なのだとは思うけれどそればかりではと知り合いの京都通にも教えを乞うた。大昔に体験したところ、数年前に来たところ、ネットで探り当てたところも入り混じって本当は大好きなスタンプラリーにならかったところは成長の証かな。写真は和久傳「丹」の2階。設計は横内さん。カウンター越に白川が見える。サッシからもカウンターからも離して架けられた横桟の向こう側が赤く塗られていて外から「丹(あか)の帯」としてアクセントになっている。中からは糸のように細い一筋の丹が見えている。和久傳とは思えない不慣れな接客のおかげで建築にばかり関心が行ってしまったが、旅館にでも泊まらない限りまともな朝めしは少ないというマーケットの読みは当たっている。

重森三玲

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冬の京の旅。今回の3日間は始まりの松尾大社と締めの瑞峯院に重森三玲の庭。鶴だの亀だのの見立てを基本にした固い定型の世界の中での型破りが刺激的だ。松尾大社の「蓬莱の庭」(長男との合作)に写実的な亀の彫刻を置いたのは三玲なのだろう。写真は「即興の庭」のお気に入りショット。こういう三玲が好きだ。

紫野大徳寺

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冬の京の旅。あてもなく彷徨うのが旅というものだとは思うのだけれど、時間に区切りをつけざるを得ない生き様なのだからと言っているうちに、ほとんどの時間が予約で埋まっていった。予約の端緒は大徳寺聚光院の特別公開で暮れも押し迫ってから思い立ってぎりぎりすべりこんだ。普段は京博に貸し出されている永徳などをあるべきところで観るのもよかったが合わせてその並びに千住博を体験できたのも収穫だった。岩絵の具は半永久的に持つのだそうだが例えば200年後にこれらの空間はどのように観られているのだろうかと悠久の時の流れにも想いをよせた。大徳寺で合わせて拝観できたのは龍源院、桐院、大仙院、瑞峯院。大徳寺という小さな宇宙にそれぞれの個性が秘めやかに存在しているのがいい。最後に訪れた瑞峯院の庭は重森三玲。写真は桐院。人がいた方が絵になる。

stuffed coyote

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日曜日には待ち合わせをして会期前のギャラ間に行ってしまった。エレベーターの扉がうまく開かなくてやっと休みであることに気づいた。近くの21_21での「デザインの解剖展」はあろうことか長蛇の列。ギャラ間のついでに寄ろうと思った程度だったのですぐに諦めた。サントリー美術館は休み。夜は麻布十番の「たき下」に決めていたから無駄な行程は避けたかったのだが寒いから歩き過ぎるのは避けることにして「野老朝雄個展」の外苑前へ移動し気まぐれ街歩きの始まり。ワタリウムの「ナムジュン・パイク展」は90年代以降の後半の部。高橋アキ、ヨーゼフ・ボイスなどもいて懐かしかった。剥製のコヨーテは写真に撮りたかったなあ。英文タイトルを見て剥製がstuffedなのを学習。詰めもの料理と同じじゃないか(笑)。写真は呑川の剥製ではない水鳥。水面の青が好きだ。

staff notation

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冬の京の旅。両足院で若冲の鶏を観たあと高台寺に向かうつもりで西に歩いていた。スマホなしでも分かるという自信が邪魔をして気づくのに時間がかかった。猫のように太陽の位置で方位を判断することはできないのだ。この日の朝には一条余計に南下する間違いもおかしていて結局一日で19.3kmも歩いた。寄り道をすることで予期せぬ街を発見できたと慰めてもらったが以降はスマホを重用するようにした。その方向感覚を失った原点の建仁寺境内で見かけた塀の五線グラデーション。京都らしかぬ斬新な発想に当てられたというわけではないだろう。昨日からタイトルが英文なので五線譜の英語をググってstaff notationなのを学習。英単語も意外に知らないなあ。

feeling groovy

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slow down you move too fast。気紛れの街歩きも楽しい。外苑前あたりぶらぶらの刺激たくさん。野老さんの方法、パイクの信念、ブリジストンのしかけ。青山通り沿いのこの建築も初めて。

猫風景

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冬の京の旅。京都は川が多いせいか街中で鷺の類を見かけることも少なくない。軒先や欄干などに微動だにせず立っている鷺は飾り物かなと疑ってみたりもするがこの黒猫は飾り物だ。おもしろい。若冲の「雪梅雄鶏図」が特別公開されている建仁寺両足院から高台寺に向かうあたりでの一枚。

寒中鳥

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晴れた日には鳥たちが賑やかだ。冬はおおかたの樹々の葉も落ちているから彼らの挙動が眼にとまり易いけれど、細かく動く鳥の表情まで捉えることができるのはほぼ偶然だ。この鵯はかわいい。新宿中央公園。

詩仙堂

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冬の京の旅。以前にちらっと書いた思い出深い詩仙堂へ。当時名前すら知らなかったのを何年か後に確認に出かけて以降は、恋する乙女の残像が強過ぎて、遠ざかっていた。忍び寄りつつある夕暮れのおかげかやはり寂しさが漂っていた。外国人には人気がないのか時刻のせいかすいていたからかもしれない。「凹凸窠」という名前のとおり高低差の多い庭も味わい深い。静けさの中の鹿威しの音が大きかった。「僧都」「添水」という呼び名があることは初めて知った。障子の開いた残月軒に佇む老猫の写真が一番雰囲気を表しているかな。

遥縁

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涙が止まらなくなってしまった「この世界の片隅に」の舞台になっている呉に通ったことがある。3人の「ワークショップ」だったころ三十数年前だろうか、小高い山の上に住宅の現場があったのだ。クライアントだった亡き父の親友には娘さんがいて当時双方の父親は私たち二人の縁を期待していた節もあったことにかなり経ってから気づいた。不思議なことに彼女はワークショップの仲間の輪の縁でも繋がっていて、そのころ[bigdog house]で時々ひらいていたパーティーにも顔を出してくれたことがあるはずだ。いくつかの縁も目に見える成果を生まぬまま時は遥かに流れて最近は年に一度くらい彼女のロンドンからの帰省をきっかけに再会する。今年もワインとスティルトンとアールグレイを運んで来てくれて故あって万世橋の常陸野ブルーイング・ラボ でオーナーも一緒に卓を囲んだ。新しい縁の端緒かな。写真は彼女の出自に因んで京都和久傳の黒鯛鮨。

稀縁

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居住の教育環境の丁寧さは講師仲間の仲がいいからだと思う。製図室には大理石プレートまである立派な厨房があって学生たちが料理をつくってパーティーが開かれる。恒例だけで新入生歓迎会、卒制中間講評、OG会、宮脇賞、謝恩会。会場は違うけれど生産工学部として卒制選考会、卒業謝恩会。ゼミ旅行、京都研修旅行もあってその都度例外なく飲んでいるから仲もよくなる。2015年の京都研修旅行の帰りは「日常派」に引かれてラーメンを食べたあと3人組となって横浜に向かった。他の2人はイタリア文化会館である建築家の受賞パーティーに出るという。私もよく知っている人なので招待はされていないにもかかわらず押しかけることにした。主役の建築家の出身事務所の縁の建築家も大勢いて楽しい時間を過ごした。その縁のなかに運命的とも言える再会があったのだから人生は面白い。逆に言えば縁は紙一重で繋がらないことも多いということだが、実は居住の縁なのだからいずれそのうちに繋がる定めだったのかもしれない。写真はネットの細い縁で偶然辿り着いた京都・妙満寺前町[calvador]から希少カルヴァドス2種。

教縁

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photo by Niina Shiota
日大生産工学部居住空間コース宮脇賞。今年のゲスト・クリティックは北山恒さん。「ワークショップ」の3人が揃った思い出深い集いになりました。あたたかく持ち上げてくれた居住の仲間たちにも感謝。3人並んで沢山のスマホの被写体になりました。北山さんの総評で「丁寧な教育」と評価してもらえてうれしい。そう、かけがえのない教育環境です。「暴力性が足りない」という北山さんならではの激励が心に滲みる。ありがとう。現状に満足していてはいけない。

築縁

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[蒲田の家]が2006年に竣工した時に中学生だった男の子が社会人として営業に来た。なんと設計コンサルタント会社に勤めているとのこと。家ができあがっていく過程を間近に体験して大きな転機となり建築の世界に興味を持ったのだそう。家族4人が緩やかにつながって暮らすほとんどドアのない住まいのあたたかさを熱く語ってくれた。仲のいい4人暮らしが目に浮かぶようだ。建築が繋ぐ縁、うれしい。写真は若冲特別公開を観に行った建仁寺両足院でみかけたお飾り。一列に並ぶ干柿10個は「外はにこにこなかむつまじく」だそう。外のにことなかの6個が離れている。中央は京都は橙。

建縁

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当ワークショップは一昨日6日が仕事始め。今いろいろとお世話になっている建設会社の辰が年賀の手拭を持ってきてくれた。鮮やかな赤の本染めのデザインは野老朝雄さん。オリンピック・エンブレムの革新的デザインで俄かに時の人となった野老さんと辰の縁を繋いだのはワークショップにデスクを置いている建築家の田邊曜さん。田邊さんとの出会いは日大生産工学部デザインコースの篠ア健一さんの紹介。次々に繋がっていく縁は楽しいなあ。

鼎縁

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谷内田さんが誘ってくれて2004年から日大生産工学部居住コースで非常勤をするようになった。谷内田さん北山さんとは1970年に横浜国大で出会って1978年には3人で「ワークショップ」を設立する永い付き合いだ。その北山さんが居住コースの宮脇賞にゲスト審査員で来てくれる。47年にも及ぶ永い縁に感無量。写真は重森三玲の庭を観に行った京都・松尾大社のお正月。

松尾大社

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京の冬の旅。若冲と大徳寺聚光院を主題にした構成に重森三玲も絡んで豊かな旅になりました。松尾大社の二度目の三玲にも見落としていた情景があるのは記憶の仕組みのせいかなと思ったけれどやっぱり前回は見落としていたようです。何故?。

鷺へ

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京都2日目もよく歩いて19km。白川、高瀬川、鴨川。鳥もたくさん撮りました。今日は少し寒くなるようです。

鵜から

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日暮れに粉雪が舞う冬の京都ではない穏やかな1日目。松尾大社の重森三玲の後は桂河畔を散策。東京では見たことのない鵜にも出会いました。夕食は「日常派」はいないので「にこら」。十割蕎麦、おいしかった。

西へ

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真っ青な冬空の下、西に向かっています。美しい富士山の写真は金曜日にアップします。

犬の一人歩き

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熊澤酒造のギャラリーで出会った犬がいつも[bigdog house]のダイニング・テーブルにいます。独り孤高のようにも見えますがいろいろなお気に入りや花々や写真にも囲まれてとても幸せなようです。

丁酉

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新年。ひのとのとり、音読みはていゆう。各国の十二獣はインドがガルダであるほかは共通して鶏。やはりルーツは同じなのだろう。ちなみにタイ、ベトナム、モンゴルは兎の代わりに猫だそう。2017年がいい年になりますように。もう訪れる機会があまりないかもしれない三保の浜で夕陽を浴びて羽根を休める鳶にも願いを託して。

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木下道郎 ・ 建築家
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