Sciacca

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Sicilia series。野口教授と行くシチリア建築旅は去年に続いて2回目。去年は旅に携行した陣内さんの「シチリア・南の再発見」でシャッカは「アラブ世界に最も近い町」として熱く紹介されている。ギリシア時代は植民都市アグリジェントとセリヌンテの中継点、ローマ時代は前哨基地で小さな集落に過ぎなかったが、その後のアラブ支配時代に都市として発展し、シャッカという地名も集合住宅に関連するアラビア語がもとになっているという説もある。14世紀以降に形成された大通り沿いの街区の裏にアラブ期を起源とするコルティーレと呼ばれる袋小路が無数に存在している。コルティーレを取り囲む居住ユニットの生活が行止まり空間に滲み出てきているようすが見どころなのだろうが、通り過ぎるだけの私たちはその雰囲気を鼻で感じ取るしかない。町のはずれにギリシア人が発見しローマ人がテルマエを建設した温泉の名残があるのもシチリアらしい。

勝沼ワイナリー

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勝沼逍遥。メルシャンが新しく桔梗が原ワイナリーと椀子ワイナリーをつくることになって「シャトーメルシャン」が「勝沼ワイナリー」に変わった。勝沼のある甲州市には2017年8月時点で37のワイナリーがある。日本ワインがすっかり定着してワイン愛好家がたくさん勝沼を訪れるようになってきたのはうれしい。ナパでは隣のワイナリーには車で行く感じだがここでは歩いていくつものワイナリーを巡ることができる。原茂ワインからは少し南に歩いて旧甲州街道を渡ったあたりが日川の河岸段丘の縁で川沿いの低地に広がる葡萄畑の向こうに「勝沼ワイナリー」がある。竣工して8年が経ちすっかり土地に馴染んできている。コルテン鋼のフラットバーや苦労して遺した灯籠や石碑などが効いてきている。随所に適当に貼られているサインなど気になることはあるのだがメニューが少し進化しているのがいい。この6月からは今まで非公開だった醸造施設と貯蔵庫も見学できるようになった。

勝沼逍遥

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勝沼は東京から近い。鉄道なら勝沼ぶどう郷は新宿から「快速ビューやまなし」なら運賃\1,944だけで行ける。座席指定をしても\2,464。ところが「えきねっと」を巧く使うと特急座席指定で山手線内-甲府\2,060。人気があるらしく先行予約初日に申し込んだのに復りしか取れなかったので往きは「快速ビューやまなし」。特急「かいじ」より数段洗練された車輛の2階ボックス席を2人で占拠して満足。今にも雨が降り出しそうな空は笹子トンネルを抜けたら青空になっていた。よくあることだ(笑)。で、勝沼ぶどう郷駅からタクシーで勝沼醸造というシナリオを急遽変更して葡萄畑の中の坂道を下って原茂ワインへ。ムクドリ、ヒヨドリが群れ、ツバメが飛び交いウグイスが囀る。写真はキセキレイだろうか。ワイナリーの葡萄棚の先にある土間ではボーダーコリーが寝そべったまま迎えてくれた。開店直後なのに満席でリストに名前を書いて待つ。3組目だと思っていたら2枚目だった。ゆっくりとした時の流れの中でのんびりとランチを楽しんだ。もちろん甲州も。
 

[403]

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[二軒家アパートメント]ペントハウス[403]でスライド会。シチリア土産のチーズの出番がないほどのごちそうでジロールだけが役に立ちました。

街段

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Sicilia series。カルタジローネのランドマークは140段の大階段によって作り出される軸線だ。大階段は市役所広場から始まり、登り切った右手に教会があり鐘楼が屹える。階段の途中で交差する道がいくつもあるにもかかわらず踊り場が一切ないという深いこだわりがこの空間をより力強いものにしている。やはり妥協はいけない。蹴上には地域特産物のタイルが貼られている。観光客も子供達もこの非日常都市空間を楽しんでいた。

涼子

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2年ほど前、阿部勤さんのフェイスブックに「涼子が帰ってきた」で始まる一連のコメントが連載された。夢の中のはなしであるとの断り書きがどこかに消えてしまうほどのリアリティに弄ばれて涼子はラブラドールのトンボと共に私の中で一人歩きをし始めた。犬の散歩のために訪れるイケメンの韓国人青年には疎ましささえ感じた。その時に阿部自邸の「中心のある家」で撮影が行われていた映画「蝶の眠り」がやっと公開された。2度空間体験をさせていただいているあの魅力的な建築空間で撮影された映画を観ないわけにはいかない。主演は中山美穂で私の理解では彼女はアイドルだし、タイトルには甘い抒情が漂っていて、ポスターなどからも軟弱なメロドラマの感じがする。ま、建築を観るのだな、と覚悟していたのだが、見応えのあるいい映画だった。全篇を通して「中心のある家」が登場するから主役は建築かもしれない。あの建築が映画の舞台として魅力的なのは、積み重ねられた永い時間が丁寧に写し取られているからだと思う。川崎毅の陶芸の街(写真:2017年に阿部勤宅で撮影)もさりげなく登場。安心して眠っているさまを韓国語で「蝶の眠り」と言う、と映画の中で種明かしされる。主題は重苦しいけれども、記憶を失くした人や動物たちが集まる森が遠くにあって、そこではかつて愛し合った相手のことは分かるという一抹の救いも用意されている。上映は明日17日までらしい。

Lipari

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Sicilia series。ミラッツォから船で渡ったリパーリはリゾート風情がいっぱい。人々も犬も猫も自由に街の生活を謳歌している様子だった。レストランのグルテンフリー対応は年々進化しているようで、特にここではパスタばかりでなくグリッシーニ、パンも小麦を使わないものが用意されていた。

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kinoshita
木下道郎 ・ 建築家
詳しくはworkshop-kino.com

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